不動産会社の選び方に正解はあるのか

相見積もりの価格だけで決めないこと

不動産会社を経由して売却する場合は、相見積もりの価格はだいたいが高めに見積もられています。不動産会社側も「一番高く買い取るうちに来てください」とアピールしているためです。ノルマが厳しい有名企業ほどこの傾向が強くみられるでしょう。

不動産会社の選定において、企業の規模や知名度はさほど参考になりません。本当に見るべきなのは、それぞれが持つ得意分野や実績といった「強み」であり、それらを参考にして目的に適した会社を選ぶのが正解です。

目的に合わせて不動産会社を選ぶのが正解

確実に売りたい人は

不動産はすぐに買い手が付くものではなく、長期戦になりやすいという点を考慮しましょう。最短でも3ヶ月ほど、長期になると年単位のスケジュールが必要になります。さらに、いつまでも買い手が付かず売買が成立しないばかりか、売買後に買い手の都合で契約が白紙に戻ってしまうケースもあります。

これらのリスクを回避して「確実に売りたい」のであれば、自社買取が可能な不動産会社を選ぶのが適切です。ただし、自社買取は転売が目的なので、売却価格が相場から下がってしまう点に注意しましょう。

早く売りたい人は

売却価格などの条件に気を取られていると、買い手がつくまで延々と活動が長引いてしまいます。手っ取り早く売却したいのであれば、より良い条件で売ろうと粘るのではなく、ある程度で妥協してしまうのも一つの方法です。

住み替えで支払いの負担を軽くしたい、相続税への対策で時間に余裕がないなど「早く売りたい」事情がある人は、売却のスピードを重視して不動産会社を選びましょう。売却価格が下がることに目を瞑るのであれば、自社買取なども視野に入れておくと選択肢が増えます。

じっくり検討したい人は

時間的に余裕があり、より良い条件で売却したい人は、売り手の希望に合わせてくれる会社を選ぶのがおすすめです。大手企業はネットワークの範囲が広く売却実績もありますが、ノルマを始めとした会社側の事情を優先することも多く、必ずしも納得の行く条件を提示するとは限りません。

地方の小規模企業であれば、大手よりも融通が利く会社が多く、売り手の要望を真摯に聞いてくれます。売却したい物件のあるエリアに合わせて、どのような不動産会社が向いているのか、「じっくり検討」しましょう。